2016年12月16日
平成28年12月14日(水) 第11回図書館企画講演会を開催しました。
今回は、株式会社紀伊國屋書店取締役学術情報販売促進部副本部長の十河宏様に
『本と出会い人と出会う~海外で読者に本を届けるということ』と題した講演をしていただきました。
1996年をピークに売り上げ規模?出版社数?書店数が減少し続け、「出版不況」と言われる
昨今の出版?書籍流通業界の日本特有の問題点を諸外国との比較を交えて解説してくださり、
それを踏まえて紀伊國屋書店が海外で書店を運営するに当たっての指針と実際の店舗内の
様子や活動を沢山の画像を交えて紹介くださいました。
「書店は、本と読者、ひいては、著者と読者、が出会う“舞台”である」として、ホスピタリティ
(「omotenashi」の心)を以って、来店客が“本に出会う場”を体感できる書店づくりを目指し、
各種イベントを企画運営して趣向を凝らしたディスプレイを展開しているとのお話に、
参加者は熱心に聞き入っていました。現地で書かれた物に日本の漫画家が作画をし、
現地で出版(現地語)することにより日本とその国の文化を結ぶ活動にも力を注がれているとの
例も挙げられ、「本が売れない、書店が無くなる、と言われる現在だからこそ、ホスピタリティや
文化交流を用いて人と本をつなげてゆきたい」というお言葉が強く参加者に届く講演会となりました。