2023年06月12日
ジェフユナイテッド株式会社?前代表取締役社長の森本航氏が講演(経営学会主催講演会)
本学経営学会は6月9日、世田谷キャンパス6号館6503教室で、第11回国士舘大学経営学会講演会を開催しました。
講演会では、前ジェフユナイテッド株式会社代表取締役社長の森本航氏が「ゴールはシュートを打たないと入らない~最善の積み重ねが最高をつくりだす~」と題し、3年間社長としてクラブ経営を担った自身の経験などを、会場に集まった経営学部の学生、教職員ら約300人を前に話しました。
森本氏はまず、J2リーグに所属するジェフユナイテッド千葉やJリーグの概要を説明。各クラブの収支構造について収入の約半分がスポンサー収入であることの特徴などを示し、「売り上げの予測を正確に見極め、与えられたリソースで最大の効果を上げることがクラブ経営者に求められる」と話しました。また、プロスポーツビジネスを「勝つことは保証できないシナリオのないドラマ」と例え、「喜怒哀楽が商品」であるとビジネスモデルの根幹を説明しました。
また、在任期間中に重なったコロナ禍については、前例のない出来事で苦難の連続であったと話しました。とりわけ、プロスポーツではビジネスモデルの構造上、試合ができないことにはクラブ経営が成り立たないとし、まずは試合再開に向けさまざまな対策が講じられたことを紹介しました。森本氏は当時を振り返り、「プロ野球とJリーグで設置された対策会議の役割が大きかった。当時は多角的な視点とエビデンスに基づいた判断が何より重要であり、多くの専門家を交え多角度から議論することができた」と試合再開や運用ルールなどの構築に会議の成果があったことを強調しました。
ただし、集客はコロナ禍以前の状態には戻っていないとし、今後の課題として既存ファンの満足度向上や新規ファンの獲得をあげ、「現実を直視する勇気から問題解決は始まる」と話しました。
最後には、社長に求められる役割として「適切なデータを見抜く力が必要であり、リスクマネジメントが重要。決めなければならないときにいかに決断ができるかが問われる」と話しました。また、学生に対しては「大切なのはいかに行動したか。常に最高のシュート(道程)を思い描くと考えるだけで終わる。とにかくその時々で最善のシュート(行動)をしてほしい」とサッカーに例えてメッセージを送り、講演を締めました。
講演会終了後には学生からさまざまな質問が投げかけられるなど、経営者の生の声を聞く貴重な機会となりました。
経営学部経営学会では毎年、学生の学びや大学生活に対する動機付けを目的に各界の著名人を招き、多岐にわたるテーマで講演会を実施しています。
- 講演する森本氏
- 講演会の様子
- 講演会終了後も個別の質問に応じる森本氏