2022年07月15日
スポーツ?システム研究科主催講演会「エキセントリック運動は面白い!」を開催しました
本学大学院スポーツ?システム研究科主催の講演会が7月6日、多摩キャンパスMCCT301教室で開催され、オーストラリアのエディスコーワン大学の教授でエキセントリック運動に伴う筋損傷の世界的な研究者である野坂和則氏が「エキセントリック運動は面白い!」と題し、講演を行いました。
講演会には、大学院や体育学部の学生?教職員約80人が聴講しました。
野坂氏ははじめに、エキセントリック運動とは、収縮している筋肉が伸ばされる筋活動が主となる運動のことを指し、具体的には椅子にゆっくり座るときやダンベルをゆっくり下ろす運動のことだと紹介。その逆の運動であるダンベルを上げるなどのコンセントリック運動と比較しながら、エキセントリック運動が発揮できる力はコンセントリック運動よりも大きく、高いトレーニング効果を得られると説きました。
また、エキセントリック運動は筋損傷を引き起こしやすいが、繰り返し行うことで筋肉痛を予防できることを説明し、野坂氏は「若い頃はノーペイン、ノーゲインだと信じてきたがそれは違った。痛みが無くても効果はあるし、筋損傷いわゆる筋肉痛は筋肥大とは無関係だ」と述べました。
さらに、野坂氏はエキセントリック運動の効果について、筋機能や筋力の増加に加え、健康面でも骨密度や心臓血管機能、脳の健康などへも好影響を与える万能薬ではないかと話し、「日常生活の中で意識的に実施していくことで、アスリートのみならず一般の方の健康寿命の延長にもつながるはず。今後エキセントリック運動が主流になっていくことを願う」と期待を込め、講演を締めくくりました。
講演後の質疑応答では、教員?学生らから積極的に質問が投げかけられ、参加者らは筋肉の収縮の仕方を変えることで得られる効果について再認識しました。
- 講演する野坂氏
- 司会を務めた熊川大介体育学部教授
- 会場の様子
- 質疑応答の様子