2017年09月01日
極東国際軍事裁判研究プロジェクト「学生論文募集」選考結果について【100周年記念事業】
国士舘は創立100周年記念事業の一つとして、国内外の大学生?高校生を対象に論文を募集し、42編の応募がありました。選考委員会による厳正な審査の結果、受賞論文を以下のとおり決定しましたのでお知らせします。
なお、本年11月2日、世田谷キャンパスにおいて、学長賞受賞者に対し表彰式を実施します。
テーマ:「東京裁判を現代に問う」
各賞:
学長賞:賞状及び副賞(大学生の部25万円?高校生の部20万円)
優秀賞:賞状及び副賞10万円
佳作:賞状及び副賞1万円分の図書券
審査結果:
【学長賞】
■大学生の部
「東京裁判の正当性の検討と東京裁判のしがらみから脱するための行動について考える」
萩原 一樹(国士舘大学法学部4年)
■高校生の部
「東京裁判の影響と問題多き裁判となった理由に関する一考察」
福住 旺穫(稲門高等学院)
【優秀賞】
■大学生の部
「東京裁判における本当の現代的意義とは何か」
島田 育美(群馬県立女子大学4年)
■高校生の部
該当者なし
【佳作】
■大学生の部
「私が感じた「東京裁判」と「ウォーギルトインフォメーションプログラム」の影響」
金沢 佑奈(国士舘大学法学部3年)
「東京裁判史観から抜け出すために」
小笠原 智(国士舘大学法学部4年)
■高校生の部
「私たちに求められる平和」
友本 巧朗(龍谷大学付属平安高等学校)
※学年は応募当時のもの
講評:
昭和20年大東亜戦争終結、昭和27年「日本国との平和条約」発効のこの約7年の占領期間は、我が国の国家主権喪失の時期であった。この間に、「東京裁判」は行われた。この「東京裁判」によって、現在に至るまでの戦後の日本、そして日本人の精神はどのように影響を受けたのであろうか。
日本、そして日本人の原型は、戦前以来、二つの柱があった。一つは、「国を思って、世のため人のため」、一つは「国民の独立自尊(人権の自覚)」である。本学の教育目的である「国士」も、この二つを柱としている。「東京裁判」は、以上の二つにどのような影響を与えたのか。
今年100周年を迎える本学にあって、若い世代の諸君に、以上のような問に答えてもらう企画を提示した。この提示に、多くの学生諸君が答えてくれた。
この答えにつき、選考委員会は、厳正、公正な手順を経て、別掲の通り、各賞を決定した。
学長賞大学生の部の論文は、「東京裁判の正当性の検討と東京裁判のしがらみから脱するための行動について考える」と題し、戦前の日本を自虐的に捉えることなく、「事実」に即して検討することの重要性を強く指摘している。高校生の部の論文は、「東京裁判の影響と問題多き裁判となった理由に関する一考察」と題し、我々が今学びたいのは、自虐的な歴史ではなく、戦前の時代状況に関する史実であることを述べる。
大学生の部優秀賞の論題は、「東京裁判における本当の現代的意義とは何か」であり、佳作二作の論題は、「私が感じた「東京裁判」と「ウォーギルトインフォメーションプログラム」の影響」(金沢)、「東京裁判史観から抜け出すために」(小笠原)である。高校生の部の佳作の論題は、「私たちに求められる平和」である。
以上の各論文とも、無意識に刷り込まれた様々な言説を、「事実」に即して検討、研究することの大切さを指摘するのは貴重である。
選考委員会:
篠原敏雄(委員長、国士舘大学法学部教授)、牛村圭(国際日本文化研究センター教授)、榊原智(産経新聞東京本社論説副委員長)、福永清貴(国士舘大学法学部教授)、本山雅弘(国士舘大学法学部教授)