2022年08月26日
「障害と法」について学ぶ学生が世田谷区の障がい者?福祉政策について話を聞きました
法学部の選択科目「法学特殊講座Ⅰ~Ⅲ」では、1?4年生の約30人の学生が「障害と法」について学んでいます。授業では、障害者権利条約の成り立ちから意義、国内での適用範囲や具体的な社会問題などについて、総論?各論の諸問題を取り扱っています。
7月27日の授業では、世田谷区議会議員の石川ナオミ氏をお招きし、世田谷区における障がい者?福祉政策について話を聞きました。
石川氏はまず、グループに分かれてアイスブレイクをした後、世田谷区の障がい者数の推移や世田谷区ノーマライゼーションプランの背景となる各種法整備について説明しました。全国の医療的ケア児は、平成30年には約1.9万人と推計されていますが、世田谷区には、子どもへの高度な医療が受けられる「国立成育医療研究センター」があることで、日常生活を営むために医療を必要とする子どもが多くなっています。石川氏は早くから、法から抜け落ちていた医療的ケア児の存在を認識し、区議会議員として活動をしています。その活動の中で聞いた話や経験を織り交ぜながら、医療的ケア児への世田谷区の取り組みを紹介しました。石川氏は「(前述のような)区の事情もあり、国の法整備よりも先行して取り組みがなされていた」と話し、令和3年に開設した医療的ケア相談支援センターの取り組みについて紹介しました。
石川氏は「障害のある人もない人も人格や個性を尊重し、住み慣れた地域で支え合って、自分らしく安心した生活を継続できる社会であってほしい」と締めくくりました。
本講座は、将来公務員を目指す学生が、障害と法との関係について正しい知識を習得し、総合的な理解を涵養することを主な目的として開講しましたが、2021年の障害者差別解消法の改正に伴い、国?地方公共団体以外の民間事業者にも法的義務として合理的配慮を行うべきことが定められ、全学生にとって社会に出る際に必要な知識となりました。今年初めての試みとして障害法を扱う本科目を設け、法を学ぶ多くの学生が障害法への理解を深めることを期待しています。
- 講演した石川氏
- グループワークを行う学生ら
- キャリアコンサルタントなど多くの資格を持つ石川氏による動きのある授業が展開された
- グループワークで学生と交流する石川氏