2019年06月29日
政治研究所主催講演会「地方自治の研究:英国の場合」を開催しました
政治研究所が主催する講演会が6月26日、世田谷キャンパス6号館6503教室で開催され、政経学部の学生を中心に約150人が参加しました。
講演会は「地方自治の研究:英国の場合」と題し、自治体国際化協会ロンドン事務所の主任研究員であるアンドリュー?スティーブンズ氏を招いて行なわれました。講演は石見豊教授による遂次通訳で進められました。
開会のあいさつで、政治研究所所長の的射場敬一政経学部教授は「他国の制度は良く見えるがどの国にも課題はあるはずで、それをどう整えていくかが大切。他国の制度や課題を大いに参考にしてほしい」と述べました。
スティーブンズ氏はまず英国の地方自治の仕組みとして、イングランドには日本のような県と市町村といった2層制の地域と、1層制の地域が混在することや、地域経済の再生や活性化のために合同行政機構が作られ、これまでに中央政府からの権限移譲が進められてきたことなどを説明しました。次に、2000年に中央政府からの権限委譲によって設置されたロンドン行政を担うGreater London Authority(GLA)を取り上げ、GLAの全体像を具体的に説明しました。その上で、中央政府からの補助金が大幅に減らされているという問題点を指摘し、財政的分権が地方自治を活気づけるとまとめました。
最後にはブレクジット(EU離脱問題)にも触れ、「ブレクジットは地域に変化をもたらす。どう対処するか、地域の一体性を確保できるかが重要」を締めくくりました。
発表終了後には学生から質問も投げかけられ、活発な意見交換が行われました。
- あいさつする政治研究所所長の的射場教授
- 講演会は石見教授による遂次通訳で進行
- 講演者のスティーブンズ氏
- 学生から多くの質問も