2023年11月08日
研究セミナー「Moken Sea Nomads in Thailand」を開催しました
タイのチュラーロンコーン大学からナルモン氏(Dr. Narumon Arunotai)、ラノーン?コミュニティ?カレッジからパリワット氏(Dr. Pariwat Changkit)の2人を招聘し、11月3日に世田谷キャンパス34号館A208教室において、研究セミナー「Moken Sea Nomads in Thailand: Livelihood Changes in the Post-COVID Era」(科学研究費補助金?国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))研究課題番号20KK0267:鈴木佑記代表)が開催されました。セミナーでは、政経学部の鈴木佑記准教授が同時通訳を務めました。
ナルモン氏の報告では、タオケーと呼ばれるミドルマンの存在に焦点が当てられ、モーケンとタオケーとの関係性の変化について、歴史的視点から考察がなされました。古くは、モーケンと海産物を取り引きする仲買人が主要なタオケーであったが、近年は国立公園事務所や観光産業関連会社が新たなタオケーとしてモーケンと関与を深めている現状について語られました。
パリワット氏の報告では、ミャンマーとの国境近くに浮かぶタイ領のパヤム島、チャーン島、ラオ島の3島に暮らすモーケンの、ポストコロナ時代における生業活動が紹介されました。特に、ミャンマー当局に越境を認めてもらうために、モーケンがときにIDカードをあえて持参しないことや、小型船を用いて家族単位で移動するといった戦略を用いることで、タイとミャンマー間を移動している様子が伝えられました。
最後の質疑応答では、セミナーに参加した学生や教員、一般参加者から活発な質問がなされ、タイの海洋少数民族が抱えている問題について、理解が深められました。