2024年01月19日
「環境経済論(資源の経済学)」にてゲスト講師を招いた特別講義が行われました
1月12日、赤石秀之講師による「環境経済論(資源の経済学)」で、一般社団法人Pine Grace(https://pinegrace2017.wixsite.com/akaezo)の事務局長?土居拓務氏、理事?本田知之氏、林業実務担当?川上泰昌氏を講師に招き、「林業?森林資源の現状と実務」をテーマにした特別講義が行われました。
講義では、最初に土居拓務氏による導入として、Pine Graceがアカエゾマツの木から抽出している精油を学生達に配り、その香りを感じてもらいながらのイントロダクションとなりました。
次に、川上泰昌氏により、林業実務の実際と自伐型林業についての話がありました。そこでは、現代林業の課題として、日本には木が多く、伐採されていないので、森林資源が足りないという問題は全くなく、むしろ「植林して、木を育てる事を全然していない」という危機があるという話題が提供されました。学生達は、これまでの授業では資源が枯渇しているという話を聞いていたため、現実には森林資源は枯渇していないという事が分かり大変驚いていました。
さらに、本田知之氏により「日本の森林資源は世界と比べてどのような状態にあるのか?」について話がありました。そこでは、日本の林業は採算性が低く、政府が補助金による介入を行っているという話や林業が山村地域での雇用のセーフティーネットの機能を果たしているという話題が提供されました。学生達は、これまでの授業では資源を利用する人々は利益を最大にするように行動し、その利益は黒字となるという話を聞いていたため、現実には補助金がなければ赤字が常態化しているという事が分かり、また林業が地域経済を支えているという話も聞き、強い関心を持ったようです。
最後に、土居拓務氏により「アカエゾマツ需要創出の背景と概要」について話がありました。そこでは、Pine Graceがどうしてアカエゾマツという樹木1種に絞って需要の創出に力を入れているのかについて説明し、またPine Graceによる活動を通じて、実際にアカエゾマツ製品が生まれ、地域の雇用創出にも繋がっているという話がありました。
学生達は、授業で学んできた資源の利用の基本的な考え方を踏まえて、現実の林業や森林資源の利用について話が聞けて、資源の経済学の理解がより深まったのではないかと思われます。
- 川上氏による話題提供
- 本田氏による話題提供
- 土居氏による話題提供