2021年10月16日
第72回政治学研究会開催のお知らせ
日時 |
令和3年10月26日(火)午前10時00分~11時10分 |
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場所 |
世田谷キャンパス 8号館5階 8507教室 |
報告者 |
防災?救急救助総合研究所 中林 啓修 准教授 |
テーマ |
「令和元年東日本台風での災害派遣をめぐる自治体と自衛隊との連携に関する研究──派遣先自治体への質問紙調査を中心に」 |
報告要旨 |
2019年10月12日から13日にかけて関東?東北を中心に全国で甚大な被害をもたらした令和元年東日本台風では、自衛隊は12都県の68市町村での人命救助や各種生活支援、応急対応に従事した。 その前年に発生した平成30年7月豪雨での初動対応について、内閣府がまとめた検証レポートでは、防衛省?自衛隊側が自治体の支援ニーズを早期に把握して活動内容を提案していく「提案型」災害派遣が提言されている。こうした提言は令和元年東日本台風での災害派遣ではどの程度反映されていたのであろうか。 かかる問題意識から、報告者は、令和元年東日本台風で災害派遣を受けた12都県68市町村に対して質問紙調査を行い、災害派遣の実情および自治体と自衛隊との連携の課題を明らかにすることを試みた。調査を通じ、特に人命救助と瓦礫処理については自治体側の効果の実感が高く、かつ、これらの分野では自治体以外の関係機関も交えた多機関連携が図られていたこと、「提案型」災害派遣の考え方は初動期よりは応急期の活動に生かされていること、今回の災害派遣での最大の課題は都県と市町村間の調整であり、特に市町村側の課題意識が強かったが、福島県などで比較的円滑に調整を進めた事例も見られたこと、といった結果が得られた。 |