国士舘大学経済研究所は11月25日、34号館B203教室で元太平洋?島サミット担当大使の髙田稔久氏を招いた講演会「太平洋島しょ国と日本の関係これまでとこれから~外交官の経験を踏まえて~」を開催しました。
髙田氏は外務省時代に国際平和協力本部事務局長、在ケニア大使、外務省沖縄担当大使、在ニュージーランド大使などを歴任し、外務省退官後には同参与として太平洋?島サミット担当大使を務められました。講演では、それら外交官としての経験を踏まえて、太平洋島しょ国ならではの課題について、遠隔性や狭小性などによる自律的、継続的成長の難しさや、気候変動による国土保持の危機や自然災害の頻発、そして中国の進出など地政学的争いに関することなど、4つに絞って説明しました。
また、現在各国が連携?協力する太平洋諸島フォーラム(PIF)の取り組みや、太平洋?島サミット(PALM)を通じた日本の継続的な連携と信頼強化への取り組みについて説明した上で、髙田氏は「個人的に課題として重視しているのは、人的交流を通じた人材育成と、保健分野に関する日本の協力だろう。そして気候変動に関しては、排出量削減などの日本の具体的な行動と、各国の希望にどう応えていくかが課題となるだろう」と見解を述べました。