7月13日、世田谷区総合教育会議が世田谷区総合教育センターで行われ、村上純一地域連携?社会貢献推進センター長(文学部教授)と大学院生、学生らが発表者として登壇しました。
本会議は、区長および教育委員会が、教育の基本的な枠組みとなる教育大綱や教育政策の方向性について協議、意見交換を行う場として2015年より開催されています。
この日の会議は、「これからのせたがやの学びについて~子どもたちの多様性や個性を伸ばす学びの場づくり~」というテーマのもと、基調講演、取り組み紹介、区長と教育委員会による意見交換の3部構成で行われ、村上センター長が基調講演を行いました。
村上センター長は、本学と世田谷区の連携事業の事例を交えながら、大学関係者の地域連携の捉え方や、世田谷区と本学の方針と価値や目的の共有、そこから創出される新しいコミュニティーと既存のコミュニティーの違いについて説明し、「既存のコミュニティーが縁故関係からなるものに対し、新しいコミュニティーは自発性と多様性からなるなどの違いがある。新しいコミュニティーでの学びは、楽しく、共に、人格で行うものであり、あらゆる場所で展開できるので、それを「学び」として認識していくことが大切である。区内には数多くの大学、組織、団体が存在しているので、多様性と個性があり、これを子ども達の多様性や個性を生かす学びの場へ結びつける視点で連携を進めていくと、子ども達や若者だけでなく、大人にとっても「学び」や「楽しみ」になることは間違いない」と話しました。
その後、2部の取り組み紹介では、昨年度の楓門祭で行われた若林小学校と本学との取り組みが紹介されたほか、区立小学校に通う外国人児童への日本語教育支援を行った人文科学研究科博士課程2年の張琢月さんと、区立中学校の帰国子女?外国人相談室に社会教育実習で参加した文学部教育学科教育学コース4年の千田正剛さんと山口玲奈さんも事例を発表しました。
張さんは「支援を通して、外国人児童が学習面で直面する問題の難しさを学んだ。そのほか、区立の小学校の学習設備の充実ぶりや生徒の意欲的な姿勢に感激した。今後も積極的に支援活動に参加していきたい」と話しました。
千田さんと山口さんは「生徒の日本語レベルや学びに対する積極的な姿勢に感銘を受けた。自分自身も学ぶ気持ちを忘れず、今後も積極的に生徒と関わり、支援のステップアップを図っていきたい」と話しました。発表後には、保坂展人区長より参加した学生らに「支援活動に参加して発見したことや学びになったものは何か」と質問がされ、千田さんは「語学レベルが異なる中、それぞれに合わせた指導法を模索することが難しかった。自分なりに考えて生徒に接することで、生徒が心を開いてくれた時は感動した。このことから相手を思いやる教育の大切さを学ぶことができた」と話しました。
その後3部では教育委員会と区長との意見交換会が行われ、これからの区の教育に対する前向きな姿勢が再確認されました。
参加した学生らは「支援活動を通してなにより現場での生きた経験が大事であると感じた」「このような場所で発表して緊張した。今後も、支援活動を通して発見したことを多くの方々に発信していきたい」と話しました。
本学は、今後も地域と一体となり社会貢献を推進していきます。
2024.08.07
世田谷区総合教育会議で村上純一教授が講演しました
地域連携?社会貢献