日本とエジプト政府間で2016年に締結された「エジプト?日本教育パートナーシップ(EJEP)」のもと、エジプトと本学が2018年より業務委託契約を結ぶ「病院前救急医療研修プログラム」が、第7期生となる研修生を迎え、日本における病院前救急医療とその指導法についての研修が本学多摩南野キャンパスを拠点に行われています。
このプログラムは約40日間の研修期間が設けられ、本学防災?救急救助総合研究所が研修を担当し、講義?実習のほか医療機関への視察や現場実習、本学を含む救急救命士養成機関の見学など、フィールドワークも多く取り入れた実践的な内容となっています。
研修生は、日本で得た知識をエジプトに持ち帰り、救急救命士の育成?指導ができるよう日々研鑽を積んでいます。
開校式
11月5日、多摩南野キャンパスで開校式が実施され、エジプトより来日した救急医療に携わる救急救命士10人と関係者、そして本学防災?救急救助総合研究所の教職員が出席しました。
式は植田広樹教授の司会で進められ、はじめに田中秀治教授が「日本には日本のやり方があるように、エジプトという国の文化にフィットするように救急医療について幅広く学んでほしい」とあいさつしました。次に、駐日エジプト大使館文化?教育?科学局のマフムード?サクル教授が壇上に立ち、関係者各位に感謝の意を述べたのち研修生歓迎の言葉として「本研修が無事に7期目を迎えられて光栄だ。選ばれた10人は、エジプトの救急医療体制を発展させる自覚と責任をもって研修に取り組み、有意義な時間を過ごしてほしい」と述べました。
また、同研究所の島崎修次所長は「本研修は、7週間と短い期間であるが内容が濃いものとなっている。この研修で得たものをエジプトに持ち帰り、過去に日本に来日した救急救命士と共にエジプトの救急医療を発展させてほしい。そして日本の文化にも触れるなど幅広く多くのことを吸収してほしい」と研修生に歓迎の言葉を贈りました。
最後に、研究生代表としてアハマドさんが「過去の研修生から本研修の魅力を伝え聞いていたため、とても楽しみであった。エジプトによいかたちで持ち帰られるよう、多くのことを吸収したい」とあいさつし、開校式は終了しました。
講義
実習の様子
校外研修の様子
修了式
「病院前救急医療研修プログラム」修了式が12月20日に開催され、研修生10人のほか、佐藤圭一学長、防災?救急救助総合研究所(防災総研)の島崎修次所長、田中秀治副所長、駐日エジプト大使館の関係者らが出席しました。
はじめに、植田広樹教授より開式の言葉が述べられたのち、佐藤圭一学長より研修生一人一人に修了証が手渡されました。
その後、駐日エジプト大使館文化?教育?科学局のマフムード?サクル教授が「本研修でご尽力いただいた方々には心から感謝している。国は違えど、同じ志をもつ仲間として切磋琢磨し、救急医療体制の発展を目指してほしい」とあいさつし、帰国する研修生らを激励しました。
本学からは、佐藤学長が日本の文化や国民性について説明し「本学の建学の精神である、世のため人のためは万国共通の精神である。エジプトでも、本研修で学んだことを国や人のために生かしてほしい」と述べ、島崎所長は「本研修で、救急救命に対する高い知識とスキルを学んだと思う。それらを生かし、以前の研修生とも協力してエジプトの救急医療体制を充実させていってほしい」と話しました。
また、本プログラムを統括した田中秀治体育学部教授は「研修で高度な技術を学ぶとともに、日本の四季を感じてくれたことと思う。今後も両国の連携を強め、救急医療体制の改善や発展を目指していきたい」と語りました。
最後に、研修生代表としてアムル氏が「今回は、スキルの習得とともに今後のビジョンがより明確となる有意義な研修であった。エジプトに帰国後も、研修の成果を生かしてエジプトの救急医療をよりよいものに昇華させていきたい」と述べ、感謝のしるしとして島崎所長らに記念品が手渡されました。
式の冒頭では、約2か月にわたって行われた本研修を振り返る映像が映し出されたほか、式終了後には写真を撮り合うなど研修生にとって充実した時間となりました。
今後は、来春を目安に第8期を実施し、最後の週に防災総研の教員らがエジプトを訪問し、現地研修を行う予定です。