2022年08月30日
日本文学?文化コースで能楽師による講演が行われました
8月8日に文学部(日本文学?文化コース)の選択科目「日本芸能史」の公開授業となる講演会が世田谷キャンパスの多目的ホールで開催され、能楽師の清水義也氏が特別講義を行いました。
清水氏は、観世流能楽師として国の重要無形文化財総合指定保持者に認定されており、年間100公演におよぶ舞台、アメリカ、ヨーロッパ、アジアなどでの海外公演、また能楽指導も行うなど精力的に活動しています。
文学部の倉持長子講師からの紹介を受けて紋付袴姿で登壇した清水氏は、舞台上で能の謡(うたい)や舞の実演を要所にはさみつつ「能楽とは何か」について、その歴史や文化的背景を説明しながら、親しみやすくテンポのよい語り口で講義しました。
舞台芸術としてだけではなく日本古来の伝統芸能としての能の特徴や独自の仕組み、能楽師としての哲学、姿勢についてといった当事者ならではの話題、また現在の能楽師の公演形態や、歌舞伎やミュージカルといったほかの舞台芸術との違いについてなど幅広く奥深い話題が展開される中、聴講した学生らもその巧みな話術に引き込まれ、清水氏の呼応にあわせて能の間合いを実践するなど積極的に参加する姿が見られました。
講義後には、清水氏による演目の実演に続き、能舞台で実際に使用される装束(舞台衣装)や能面、小道具などを舞台上で直接手にとることができる時間も設けられました。
参加した学生らは、美しい衣装や能面などに触れながら、清水氏との質疑応答や対話の中で、普段なかなか間近で見る機会のない能楽の世界に浸っていました。
- 本講義「日本芸能史」を担当する倉持講師が清水氏の経歴紹介を行った
- 能について講義する清水氏
- 清水氏の合図にあわせて所作や間合いを体験する学生ら
- 清水氏による実演も披露
- 能装束などに触れる機会もあり積極的な質疑応答がかわされた