2023年07月04日
文学部(考古?日本史学コース)主催の歴史講演会で日韓学術交流が行われました
文学部史学地理学科考古?日本史学コースでは、国士舘大学史学会と共催で、毎年、学生のために、学外の研究者を招聘して歴史講演会を実施しています。
今年度は、6月30日(金)午後に行われました。第1部では、本学大学院人文科学研究科2年の田中雄大さんが、「多摩地域における国学者の社会的ネットワークに関する研究―六所官猿渡氏を中心に」として研究報告をしました。
第2部では、韓国?高麗大学校副教授で、現在、国際日本文化研究センター 外国人研究員として1年間日本に滞在されている鄭 淳一(ジョン?スニル)先生が、「歴史教育のなかの「新安船」 ―沈没船から蘇る東アジア海域交流の実態―」というタイトルで講演しました。講演では、14世紀(鎌倉時代末期)に韓国全羅南道新安郡沖に沈没した「新安船」を題材に、海域アジアの多様で重層的な交易?交流の実態に迫りました。そのうえで、日本と韓国の歴史教育の比較をもとに、「新安船」を歴史教育としてどのように活用することができるかについても言及されました。参加学生からは多数の質問が寄せられ、活発な議論がなされました。最後に、産業能率大学の皆川雅樹准教授から、「交流の陰には海難がつきもので、海難という研究テーマも設定できるのではないか」というコメントがだされ、研究視点の多角的な発展方法が示されました。終了後も、3?4年生と鄭先生?皆川先生との懇談が行われ、卒業論文のテーマや学習の方向性、日韓文化について、多くの示唆を受けることができました。
高麗大学は本学の協定校です。学生の交流だけでなく、教員を媒介とした学術交流を実現できたことは、両校にとって意味のあるものであったと思われます。
- 田中院生の研究発表
- 鄭淳一先生の講演
- 講演を熱心に聞く学生
- 終了後も議論をする鄭先生?皆川先生と学生
- 佐藤圭一学長との懇談